マーケティングってなんぞ?そもそもの概念をざっくり解説!

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“マーケティング”とは

「マーケティング」。このフレーズだけで既に苦手意識が出る人って案外多いと思います。ちなみに僕もそうでした。なぞの横文字が飛び交い、ともすれば、漠然としたうさん臭さが漂います。

じゃぁ、なんでマーケティングなんて解説するのかってハナシですが。苦手意識から入ったからこそ、説明できることもあると思った次第です。では早速行ってみよう。

まず結論から言いますが、「マーケティング」=「売れるしくみづくり」です。

「売る」というと、いわゆる物販が代表的でしょうか。"物体としてのモノを売る"という事を例にしましょう。さてモノを売るためには、そのモノにそった売り方をする必要があります。そのための手段として

  • ECサイトを作り、通販を行う
  • WEBサイトを作成し、セミナーなどの申し込みを獲得する
  • 広告をガンガン流す
  • 口コミで店舗への来店を増やす

などなどがあります。売るモノによってベストな手段を選択することが重要です。

しかして。これらは、あくまでも「手段」の一つにすぎません。

【手段】は【マーケティング】とイコールではありません。

実際にマーケティングを行う際、重要な考え方は「誰に向けて」「どのような"価値"を」「"どのようにして"提供するか」を考えていくことになります。

マーケティングと販売行動の「違い」

マーケティングと販売(販促)行動は、しばしば同一視されることが多いです。たしかに、どちらも【モノや何かの価値(ユーザー体験/サービス)を売るという最終目標を達成するため】という意味ではよく似ます。

ちょっとややこしくなってきましたね。じゃあ、マーケティングの定義と、販売行動との違いはなんでしょうか?

マーケティングの定義

マーケティングは、モノやサービスなどの「価値」を顧客に「いかにして"売り込む"か」を最優先するものではありません。顧客のニーズを十分に理解することが先ず第一であり、そのニーズを満たすことができる「価値」を創り出し、「売り込みをしなくても自然に、勝手に売れてしまう状態を作ること」を目指します。これこそがマーケティングの理想的な完成形であり、マーケティングの定義と言えることでしょう。

マーケティングの具体例

若干堅苦しい雰囲気が流れましたが、こっからはフランクに考えてみましょう。例えば、あなたが「足湯」の施設を作ってビジネスをしようと考えたとします。

この時、「足湯」のビジネスを成功させるためには、どのようなニーズを満たし、価値をつけていけばいいでしょうか。

では。Let's thinking!

どうでしょうか?グッドなビジネスプランは浮かびましたか?

この具体例は、その昔にマーケティングをかじり始めたときに感銘を受けた内容でもあります。

まず、このビジネスは、「足湯」の施設を作り、利用するユーザーをたくさん集めて、いっぱい儲かることが目標です。ビジネスの成果物として、お金は大事ですからね。Get money.Give more money!

さて「足湯」ビジネスで成果を得るためには、どのようなユーザーに、どのような体験を与えるべきでしょうか。有名な観光地でSNS映えするような設備を作り、お客さん一人当たりが支払う金額を高価に設定する?

もちろん、これは一つの正解ですし、マーケティング次第では効果を最大限に獲得できるでしょう。ただし、デメリットもいくつか存在します。

まず、有名な観光地やロケーションを重視した「足湯」ビジネスを行う場合、【外的要因】にビジネスが大きく左右されることを事前に理解する必要があります。ロケーションを重視した設備を用意したのに、目の前に大きな建造物が出来たら?昨今のコロナ禍のように、お客さんが足を運ぶことが極端に減ったら?などなど、ビジネスの中身が良くても、外的要因による不可分の要素は多数あります。

この「足湯」のビジネスをマーケティング視点で考えると、こうです。

「誰に向けて」

「足湯」は温泉やプールなどの入浴施設に比べて、お客さんの回転が速いのが特徴です。全身で浸かるわけではなく、足だけですから。と、あれば。駅前の一角や、客入りの良い大型施設の中などが適切かもしれません。会社帰りに少し時間が出来たので疲れを癒したいサラリーマンの方や、買い物中に隙間時間が出来たママ友同士の来客が見込める可能性は高いです。

この「誰に」というのを細かく想定して決定することが、マーケティングにおいてはもうめっちゃ重要です。「誰に」というユーザー像のことを、「ユーザーペルソナ」と呼びます。「ペルソナ」は具体的であればあるほどグッドネス。これが定まっていないビジネスは、常に変わり続ける利用ユーザーを追いかけ続けるあまり、ブランドイメージや方針がおかしくなったり、そもそもユーザーの獲得すらできない、なんてことにしょっちゅうなりますから。

「どのような”価値”を」

ここでいう「価値」は、具体的なサービス料などの金額ではありません。値段を高くする/安くする/期間限定で割引するetc...。これらは「手段」です。

【価値=ユーザーの得るメリット】です。

どの様な人に、どのような価値を提供するか。具体的には以下のような感じです。

例:30代のサラリーマン

私は30代サラリーマン。子供がまだ小さく、20代のころのように毎日飲みに行ったり遊びに行くわけにもいかない。仕事が定時で終われば早めに帰るようにしよう。もともとは旅行も好きで、よく温泉宿巡りなどもしていた。ただ、最近引っ越しもしたばかりで金銭的にまだ余裕がないので控えている。

こういったユーザーに対して提供できる価値は、

  • 温泉旅行に行くほどの余裕はないが、日常の生活圏内で、安価に小さな温泉体験ができる。金銭的にも負担が少ない
  • 一回の利用時間はそこまで長くなる傾向にはない為、早めに帰宅したいユーザーでもちょっとした寄り道程度に立ち寄れる
  • 駅の近くや商業施設の内部に立地していれば、ついでに買い物やおつかいもできる。

こういったものでしょう。ユーザーペルソナ的には、如何にターゲットユーザーが多数いたとしても、繁華街や飲み屋さんが多数存在する場所よりは、もうわずかにベッドタウン寄りにした方がいいかもしれませんね。外観や立地、営業時間を決定するヒントにもなり得ることがお分かりいただけると思います。

とことんペルソナを具体化すれば、もっと提供できる価値の幅や精度もあがります。

「”どのようにして”提供するか」

これは上記のユーザーペルソナに対して、どのようなビジネスを「どうやって提供するか」という手段に近いものです。

【どうやって提供するか=販売の方法、提供の方法、価値の伝え方 など】

上記の方程式です。せっかくドンズバのターゲットなお客さんがたくさんいて、最高の価値を持ったモノを用意しても、お客さんが知ってくれない&使ってくれないでは、意味がありませんからね。

提供方法は、可能な限りにサービスをお客さんに分かりやすく、簡潔に伝える方が好ましいです。お客さんはそこまで暇ではありません。難しく考えすぎて、やたらと難しい文字だけの説明書きの看板を設置しても、そうそう読んでくれないでしょう。読んでくれたとしても、内容がサービスを連想できなければ意味がありません。

人材を用意して積極的に呼び込み営業をするのもいいかもしれませんが、人材の呼び込みスキル次第でビジネスの認知度、関心度は変わります。

WEB広告を運用する場合でも、Google広告がいいのか、インスタグラムやフェイスブックなどのSNS広告がいいのか、LINE広告などのツール広告媒体が適切なのか(各広告媒体のビジネス内用との親和度などは、また別の機会に!)。また、広告を打つにしても、どういったテキストや画像/動画が刺さりやすいのか。これには正直なところ、明確な100%の正解は存在しません。同時に複数を施行し、トライエラーを繰り返しながら精度を高める「最適化と運用」を常に検討する必要があります。というか、この「最適化と運用」を繰り返すことができれば、ビジネスは大体何とかなります。

よく広告で見られるような「あなたのビジネスを確実に○○%アップさせる秘密を教えます!!!」みたいなのを真に受け過ぎるのは危険ですよ。

「マーケティング」は考え方次第で誰でも身に着けられる!

なんて簡単に言うのは、ちょっと違うかもしれませんが。

ですが、マーケティングは考え方のパターンを少し変えたり、物事に対する視野を広げるクセをつけることを日々繰り返していれば、まず間違いなく身につきます。じっさい、マーケティングを仕事としていない人であっても、専門のマーケター顔負けのレベルで頭がキレる、すばらしい人々が世の中にはたくさんいます。

次回からはもう一歩踏み込んだ「基礎編」。引き続きお付き合いくださいませ。